特別な時間

私が画家をやっていた頃、お客様やお世話になっている方々へ手紙を書く

習慣があった。最初は普通にボールペンで書いていたのだけれど、小樽に

旅行に行った時に、出会った美しいガラスペンを手に入れてからは、

そのガラスペンで書く様なった。

 

不思議と、同じ手紙でも、ボールペンで書くのとガラスペンで書くのとでは

内容も変わってくるし、業務的な感じではなく、まるで写経を書いているような「特別な時間」となっていた。

 

画家をやめて、アトリエをたたんでからはそういった習慣からも遠のき、

今では言葉を伝える手段は、完全にスマホのラインを使う事だけになっていた。

 

そんな中、先日とても綺麗な色のガラスペンをギフトに頂いた。

グリーン色で金の金箔が入っているガラスペンだ。

私が以前、ガラスペンで手紙を書く事が好きだったという話をしたら、

また、やってみたらいいよという事でプレゼントしてくれたのだ。

 

なので、以前の自分の「特別な時間」を思いだし、また手紙を書くことを始めてみようと

便箋を集め始めて、今日から書こうと張り切っている。

とても、豊かな心になる時間だったから、それを再開しようと思うのだ。

 

こうして、自分だけの「特別な時間」を設けることによって、一種の精神ヒーリング効果

があると思う。忙しい日常の中で、静寂を楽しみ自分の心と対話する大切な時間だ。

 

私の場合は、ガラスペンで手紙を書く事だけれど、お気に入りのカメラを持って

写真を撮りに出掛けてみたり、それこそ、写経を書いてみたり、蝋燭を立てて瞑想をしてみたり、

花を生けてみたり、、、手法は様々だ。

 

桜が満開のこの季節に、何か新しい事を日常に取り入れて見たら、

それがきっと、豊かな時間になる事だろう。

 

是非、自分に合った「特別な時間」を作ってみようか。